山村留学の特長や魅力について教えてください
私は山村留学に来る前、たくさんあること、満ち足りていることが幸せだと思っていた。テレビやゲームがあり、やりたいことを好きなだけやり、友達と楽しいだけの会話をし、ほしいものが手に入ること・・・。
それらが理想形で完全な幸せの形だと思っていた。
しかし4年前、山村留学に行くことを決め、初めの2週間が過ぎたころ、軽い気持ちで飛び込んだ自分を呪った。寂しい、家に帰りたい、人間関係もうまくいかない・・・。
それから転機が訪れたのは収穫祭(11月)前。演目である「はねこ」に熱中し、ひたすら練習した。「楽しい!」とその時初めて努力する楽しさや充実感を知った。
満ち足りた環境では得ることのできない楽しさだった。
それから4年。4年間ではつらいこと、苦しいこと、逃げ出したくなることがたくさんあった。でもそれ以上に、乗り越えたときの幸せや得られるものが大きいことを知った。
そして苦しさを乗り越える過程では、苦しさを一歩踏ん張って耐えることが少しずつできるようになった。
山村留学は「不」を学ぶ場所。全くその通りだと思う。
不足や不満は私にたくさんのものを与え、成長させてくれた。来年私は都会での便利さがあふれた生活に戻る。
それでも、この留学生活で気づいたこと、得たものを大切にしながら、一歩一歩、前に進んでいきたい。